学生時代に建築コンペで200万稼いだ方法_01【コンペで勝つためのアイデアの出し方】

前回のコラムでは、【建築コンペはやる意味があるか】について書きました。私の持論としては、例えコンペで負けたとしても提案する過程こそ意味があると思っています。

どんなに忙しかったとしても、大学院まで進学したのであれば建築に染まろうというのが私の考えです。

コンペを出そうか迷っている学生さんは、是非前回のコラムをお読み下さい。下記に貼っておくのでまずそちらからご覧ください。

では、今回は私がコンペをやる上で意識していた【アイデアの出し方】について書かせて頂きます。これは、どのコンペ、設計課題においても共通の方法です。

 

【アイデアの出し方】には、2パターンある

 

1.アイデア並行型

並行型と言うのは語弊が無いように先に言うと、コンペ提案(要項が出た後)と同時にアイデアを考えると言う意味です。

当たり前だと思うかもしれませんが、2.アイデア先行型をお読み頂ければ違いは分かると思います。

つまりはコンペ要項を読んでから、アイデアを練り始めると言うことですが、その中でも私が意識していたことについてお伝えします。

それは、コンペに取り組む際、提案するしないに関わらず、【要項が出た瞬間(出来るだけ早い時期)に要項を読む】と言うものです。

要項は大体、コンペ提出の2、3ヶ月前くらいに出るので、早い時期に読むことで、普段の何気ない時にアイデアを焦らず考えられるというメリットがあります。

要項を読んだら、必ずノートにまとめます。

まとめるポイントしては、まず【テーマ】と【審査員が求めているものはどういうものか】ということです。

そして、普段からそのテーマについて考えながら生活します。私は焦って考えるよりも余裕を持って考える方が直接コンペに繋がりそうなアイデアは思い付くと考えています。

トイレでアイデアが出るというのは、リラックスしている状態だからと言われています。出来るだけ焦っていない状態でアイデアを練ることを行ってください。

イデアが出たら、次にノートに箇条書きにするのですが、コンペ要項を読んで1ヶ月くらい経つと、少なくとも3案くらい出ます。

その中から、【どれが一番いけそうな案になるか】かを考えます。そして「これはこのコンペにあったアイデアだ」と思えた場合に、コンペに取り組むのです。

出来るだけ、コンペ提案のためにアイデアを出すと言うのではなく、良い案があるからコンペにぶつけるというスタイルです。

そうするために早い時期に読むことが重要なのです。

コンペで勝ちたいのであれば、一番やっては行けないのは、提出まじかになってコンペ要項を読み、提案書を作ることです。私もいくつかのコンペを提出をしましたが、この方法ではほとんど棒にも橋にも引っかかっていません。

コンペを提案するに際してやるべきことをまとめると、

・まず出来るだけ早い時期にコンペ要項を読む。
・審査員の求めていることをメモする。
・普段から案を考え、できれば3つくらいを箇条書きにする。
・更に3つを考えながら生活し、行けそうな案を固めていく。
・友人に話したりして、主観すぎる方向を修正する。
・そして提出まじかに一気に作業し、提出する。

私自身もこの流れは意識してやっていました。コンペを取る方法というよりは、守るべきことと言った方が近いかもしれません。

当たり前と感じる人は良いのですが、もしこういう方法で取り組んでいて勝てないのだとしたら是非試してみてください。

2.アイデア先行型

これは、1.アイデア並行型とやっていることは変わりません。共通して言えるのは、アイデアは出そうと思って簡単に出るものではないということです。

簡単に出るアイデアには先約がいます。

だからこそ、コンペとは全く関係なく、常にアイデアを貯めていく作業も必要です。

この方法はすでにあるアイデアをコンペ用に修正して提案するというものです。

ここではわかりやすくするために、私が実際にコンペに提案した内容をお伝えします。

これは私が実際に作成したモックアップです。

このコンペでは、身近な住空間(家具等の小さなスケール)でより良い空間を提案するというコンペでした。要はスケールが小さいものであれば、何をしても良いというものです。

私はこのコンペを取り組むよりも前に、

「火燵を街の中につくりたい」

と考えていました。

家族のコミュニケーションの場でもある古き良き火燵(こたつ)というものを街の中に造ったら可能性があるのではないかと思っていたからです。

そしてこれが、このコンペに合ってそうだと思ったのです。

このコンペでは2次審査で審査員の投票から4案まで絞られ、実施(モックアップ)を製作します。そして3次審査では、その原寸大の実物を見て最優秀を決めるというものでした。

私は「火燵を街の中に作る」というアイデアをコンペに合わせてデザインしていきました。

残念ながら、最優秀にはなれなかったのですが、実施制作費で約80万程度+賞金をいう形で受賞することができました。

コンペで勝つ場合には

・共通してアイデアを常に貯めておくこと。
・本当にそれが提出するコンペに合っているのかを見極めること。

それがコンペで勝つための必須条件です。

良い提案だけど、このコンペに合ってないのではないかなと思う案を作っている人がいます。案の定それは受賞できないことがほとんどです。

自分のアイデアと提案が「このコンペに合っているのかどうか」。客観的に見極める意識を持つだけでも結果は変わります。

イデアは常に溜めておき、客観的に見極める時間を持つことが必要なのです。